がらくた置き場Ⅱ

　ひとつ最低の術について。


　失恋術。
　これは自分が失恋する術ではなく、相手を失恋させる術のことを指す。
　これを実践すれば、非常に容易に、危険なレベルにいたるまでの孤独を修得するだろうと思われる。もし孤独が＜世界内＞の出来事であるのであれば、他者から拒絶されるように努力する方法はおそるべき孤独へと私たちを導くだろう。そのためには他者と価値観を共有しなければならず、ここで偽物ではあるが相互性が、真理が措定される。真理が措定される動きを私たちは普通、「行為」と呼ぶ。これは「見せかけ」の「行為」であるのだ。つまり、善を用いて悪をなすのである。

　だが、このような探求にも私はそろそろ飽きてきてしまった。